もしも学校教員が転職活動をしたら。

夢とも言わじ世の中は。

不採用で傷つくよりも、教員を続けていくほうが良いのかもしれない。

一ヶ月か二ヶ月か前にはあった闘志もどこかへ消えてしまったかのように、せつこは心に火の灯らない毎日を送っていた。

学習指導がしたくてなった教員である。区部のICT環境は非常に豊かで、あれもこれもと手を出したくなる。誰かがした実践の追試でもいいし、自分の思いつきでも、とにかく生徒がワクワクしている様子を、自分もワクワクしながら眺めるのが好きだ。どんなに忙しくたってこれまではそうだった。

ところがここへきて、もうその情熱はすっかり元から無かったかのように、淡々と一時間をかわしかわしの授業をするようになってしまった。
もちろん、せつこだってもうすぐ中堅である。生徒にそうだと見抜かれるようなヘマはしない。
でも、自分が一番よくわかっている。つまんない授業してるって。




ぺろちゃんはどんどん成長している。
少し前までお友達と関わって遊ぶ、ということがまだできなかった。喧嘩をするという意味ではなく、それぞれが同じ場を共有しているというだけで、関わることで遊びの幅が広がるということを知らなかったのだ。
それが、最近保育園の帰り道や寝る前のお話で、「今日は○○ちゃんとおままごとをしたよ。それでさ、〇〇ちゃんが・・・」とか「△△ちゃんが頑張れって言ってくれたからね、最後までできたんだよ」とか言うようになったのだ。
子どもの成長は早い。どんどん大きくなって、いつか反抗期になったり、自立して家を出てくんだと思うと、やっぱり「今」は今しかないんだという気持ちになる。

何度も何度も、子どもを原動力に、せつこは自分を奮い立たせてきた。でもふと大きなため息をつき、涙がどっと溢れそうになる。
目につく求人にはとにかく応募した。でもまただめだった、これも、それも、また・・・。暗い気持ちの中で「学校教員を続けたら?」とささやく自分もいる。喉元すぎればピーク時の忙しさが褪せて見える。「あのときもう少しこうしてたら、そうはならなかったはず。次やるときは、もっと焦らずできるはず」・・・なんだかそんな気持ちになってくる。



心が決まらないまま、かといって授業に対する情熱も冷めたまま、途方に暮れているせつこである。



ここまでの戦績

・A:児童福祉系ライフプランナー→一次面接落ち
・B:EdTechベンチャー→二次面接→不採用
・C:食物関係公益社団法人→書類落ち
・D:人材コンサルタント→書類落ち
・E:学習参考書系出版社→書類落ち
・F:教育系出版社→書類落ち
・G:教材コンテンツディレクター→書類落ち
・H:教材システム企画制作→書類落ち
・I:デジタル教材企画運用→書類落ち
・J:PR担当・ライター→書類落ち
・K:教材コンテンツディレクター→書類落ち
・L:語学学習企画運営→書類落ち
・M:ベビーシッターサービス・コンテンツプロデューサー→書類落ち
・N:ベビーシッターサービス・育児コンサルタント→書類落ち
・O:教育系webコンテンツ企画→書類落ち
・P:人文系出版社→書類落ち
・Q:Edtechベンチャー教材開発→「登録」扱い
・R:土木系財団法人→書類落ち
・S:EdTechベンチャー・コンテンツディレクター→書類落ち
・T:デジタル教材・コンテンツディレクター→書類落ち
・U:教育系メディアディレクター→書類落ち
・V:教育系ライター・校正→書類落ち
・W:EdTechベンチャー・オープンポジション→書類落ち
・X:EdTechベンチャー・オープンポジション→書類落ち




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